
まず、HubSpotの標準ワークフロー機能で「できること」と「できないこと」を整理しましょう。
例えば、「最終接触日」に「7日」を足して「次回フォロー予定日」に自動入力したい場合、標準機能では手動入力するか、複雑なカスタムコード(Operations Hub Professional以上が必要)を書くしかありませんでした。
なぜ、単なる日付のトリガーではなく、「計算してプロパティに値を保存したい」というニーズがこれほど多いのでしょうか。理由は大きく3つあります。
人間がカレンダーを見ながら「えっと、今日から30日後は…」と計算して日付を入力するのは、ミスの温床です。 例えばサブスクリプションの更新日や、配送予定日など、起点となる日付が決まれば自動的に決まる日付は、システム側で勝手に計算して入力しておくのがベストです。
「更新日の30日前になったら通知」というトリガーだけでなく、「更新案内予定日」という具体的な日付データを持っておきたい場合があります。 そうすることで、「今月更新案内を送るべきリスト」や「来週フォローすべき顧客一覧」といったリスト作成やレポート表示が容易になり、営業活動の抜け漏れを防げます。
外部システムからインポートしたデータの日付形式を調整したり、google カレンダーなどの外部カレンダーと日付データを連携・同期するために「未来の日付」を生成して渡したりする必要がある場合、HubSpot内でデータを加工(計算)できる機能が不可欠になります。
今回ご紹介する「日付計算アクション」を活用することで、どのような業務改善が可能になるのか、具体的なユースケースを3つ紹介します。
例えば、HubSpotのCRMで管理している『コンタクト』の登録情報をもとに、自動で『ミーティング』の日程調整やリマインダー送信を行うワークフローの自動化など、実務に直結した活用例も含まれます。
インサイドセールスが架電し、「繋がりませんでした」という結果を入力(またはコールステータスが変更)した瞬間、ワークフローが作動。 「今日の日付」に「+3日」を加算した日付を、「次回架電予定日」プロパティに自動セットします。これにより、担当者は次の予定をいちいち考える必要がなくなります。
「契約開始日」が入力されたら、自動的に「+365日」を計算して「契約終了日」に入力。さらに、「-30日(終了日の30日前)」を計算して「更新案内送付日」に入力します。 契約管理における重要なマイルストーンがすべて自動で埋まるため、管理コストが激減します。
「受注日」から「土日を除いた5営業日後」を計算し、「出荷予定日」として自動設定します。 営業日を考慮した計算は、物流やサービス提供の現場では必須の機能です。これを自動化することで、顧客への納期回答のスピードと正確性が向上します。
HubSpotのワークフロー機能を最大限に活用するためには、「取引(Deal)」オブジェクトを起点とした自動化設定が欠かせません。取引ベースのワークフローを使用することで、営業プロセスや案件管理の効率化が大きく進みます。
たとえば、取引の「作成日」や「クローズ日」などのプロパティーを起点に、さまざまなアクションを自動で実行することが可能です。HubSpotのワークフロー設定画面で「取引」を選択し、対象となるプロパティーを指定するだけで、取引の進捗やステータスに応じた自動化が実現できます。
具体的な設定方法としては、まずワークフローの作成時に「取引ベース」を選択し、トリガー条件として「クローズ日が設定されたとき」や「取引の作成日から◯日後」など、取引のプロパティーを基準に設定します。その後、通知の送信やプロパティーの更新、タスクの自動作成など、必要なアクションを追加していきます。
この機能を使用して、たとえば「クローズ日から7日後にフォローアップメールを自動送信する」「取引の作成日を起点に、一定期間ごとに担当者へリマインダーを送る」といった自動化が簡単に実現できます。HubSpotの取引ベースワークフローは、営業活動の抜け漏れ防止や、顧客対応の質向上に大きく貢献します。
取引のプロパティーを活用したワークフローの設定方法やアクションの作成は、HubSpotのCRM機能をより強力にし、日々の業務効率化をサポートします。取引の進捗管理や顧客フォローの自動化を目指す場合は、ぜひこの機能を活用してみてください。
HubSpot標準機能の壁を突破するために開発されたのが、「Date Add/Subtract Action」というサードパーティ製アプリです。
このアプリを導入すると、ワークフローのアクション選択画面に、「日付を加算・減算する」という専用のアクションが追加されます。
複雑なコードを書く必要はありません。以下のステップで設定完了です。
たったこれだけで、ワークフローが通るたびに、正確に計算された日付がプロパティに自動入力されるようになります。
「あとちょっと、ここで日付の計算ができれば全自動になるのに…」
そんな悔しい思いをしてきたHubSpot管理者にとって、この「Date Add/Subtract Action」はまさにラストワンマイルを埋めるツールです。 手動計算の手間とヒューマンエラーをゼロにし、日付データを活用したプロアクティブな顧客フォローを実現しましょう。
今回ご紹介した機能以外にも、「もっと複雑な条件で日付を計算したい」「特定の祝日を考慮したい」といった独自のニーズはありませんか?
Tech-Fatherでは、既存のアプリ提供だけでなく、貴社の業務フローに合わせたカスタム機能の開発リクエストも積極的に受け付けています。
HubSpotの標準機能では手が届かない、そんなニッチな課題があれば、ぜひ一度ご相談ください。あなたのビジネスにフィットする専用の自動化ソリューションをご提案します。
▼ アプリの詳細・導入はこちら HubSpot Custom Workflow Date Add/Subtract Action | Tech Father
今回ご紹介した「マーケティングイベント 自動レコメンドアクション」は、HubSpotの可能性を広げる一例にすぎません。
重要なのは、「HubSpotの標準機能でできないから諦める」のではなく、「カスタム開発によって実現する」という選択肢があることです。
HubSpotは、APIを公開しており、非常に柔軟なカスタマイズが可能です。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、HubSpotの仕様とAPIの両方を深く理解した専門的な開発力が必要となります。
もし、あなたがHubSpotを使っていて「この機能さえあれば、業務が劇的に改善するのに」「このシステムと連携できれば、データ活用が次のレベルに進むのに」と悩んでいるなら、その「あったらいいな」を諦める必要はありません。
その「できない」を「できる」に変える開発リクエストを、専門家に相談してみませんか?
今回ご紹介したアクションは、まさにそうしたHubSpotのカスタマイズを専門とする株式会社Tech-Fatherによって開発されたものです。
同社は、HubSpotのカスタムワークフローアクション開発や、外部システムとのAPI連携など、HubSpotの「かゆいところ」に手が届くソリューションを提供しています。
