HubSpotで会社を検索する3つの方法と「自動化の壁」。ワークフローで“特定の1社”を動的に見つけるカスタム機能とは?

Mia Bytefield
November 12, 2025

参考動画:

1. HubSpotで会社を検索する「標準的な」3つの方法

まず、HubSpotで会社情報を検索する基本的な方法を確認しましょう。ほとんどの運用担当者は、これらの機能を日常的に利用しているはずです。

方法1:グローバル検索バー(最も手軽)

画面上部にある虫眼鏡アイコンの「グローバル検索」。ここに会社名やドメインの一部を入力すれば、関連するコンタクト、会社、取引などが即座にヒットします。

  • 用途: 「あの会社のレコード、あったかな?」と個別の存在確認をする際に最適です。
  • 限界: あくまで「1件」の情報を「手動で」見つけるための機能です。

方法2:会社一覧の「フィルター」と「ビュー」

[会社]メニューから一覧画面を開き、左側(または上部)のフィルター機能を使って「業種」「地域」「会社オーナー」などの条件で絞り込みます。よく使う条件は「ビュー」として保存できます。

  • 用途: 「自分が担当する、東京都のIT企業一覧」など、特定の条件に合致する「複数の会社群」をリストアップするのに適しています。
  • 限界: このフィルター操作やビューの閲覧は、人間の「手動」操作が前提です。

方法3:「アクティブリスト」または「レポート」

より複雑な条件(例:「直近3ヶ月で取引が作成されたが、サポートチケット数が0件の会社」)で絞り込みたい場合、リスト機能やレポート機能を使います。

  • 用途: マーケティングのセグメント分けや、業績の分析・集計に強力です。
  • 限界: これらも「リスト化」や「集計」が目的であり、この結果を「ワークフロー内の特定の1社」に動的に適用することはできません。

2. すべての管理者がぶつかる「自動化の壁」

上記の標準機能は、すべて**「人間が手動で操作する」**ことを前提としています。ここに、HubSpot運用の「自動化の壁」が存在します。

多くの管理者が本当にやりたいのは、「手動で検索する」ことではなく、**「ワークフローに、検索を“自動で”実行させる」**ことだからです。

しかし、HubSpotの標準ワークフローは、**「ワークフローに登録された特定のオブジェクト(コンタクトや会社など)」**を主役としてしか動作できません。

標準ワークフローが本質的に苦手とすること。それは、**「ワークフローに登録されたオブジェクトとは無関係な、データベース全体から“特定の1社”を能動的に『検索(Search)』し、その結果を利用すること」**です。

例えば、「コンタクトAさん(a-san@example.com)」がワークフローに登録された時、標準機能では「example.com」というドメインを持つ「会社B」をデータベースから自動で検索し、AさんをB社に紐付ける、ということができません。

これこそが、多くの手作業やデータ不整合(名寄せができない)を生み出す根本的な原因、「自動化の壁」です。

3. なぜ管理者は「ワークフローでの自動検索」を熱望するのか?

標準機能の検索(フィルターやリスト)はあくまで「人間が手動で使う」ものであり、「自動化」には組み込めません。管理者が「ワークフローによる自動検索」を熱望するには、大きく3つの魅力的な理由があります。

魅力 1: HubSpot標準「ドメイン管理」の限界突破

HubSpotの標準的な会社のユニーク管理は、コンタクトの「Eメールドメイン」に強く依存しています。これは、多くの企業で有効に機能する一方で、特定の企業構造、特に大企業やグループ企業の管理において致命的な問題を引き起こします。

例えば、親会社(example.com)と、その親会社と同一のドメインexample.com)を利用する多数の子会社・事業部が存在するケースです。この場合、HubSpotの標準機能では、それらすべてを「1つの会社」としてしか認識できず、全コンタクトが自動で親会社のレコードに紐付いてしまいます。これでは、子会社や事業部単位での正確なアカウント管理は不可能です。

「会社検索アクション」は、このドメイン依存の呪縛から解放されます。ワークフローは、「ドメイン」という単一のキーではなく、「会社名」や「部署名+会社名」、「国コード+会社名」といった、自社で定義した複数のカスタムプロパティを条件に、データベースを柔軟に検索できます。これにより、たとえ同じドメインでも「この条件なら子会社A」「あの条件なら子会社B」といった、人間の判断に近い高度な名寄せ(自動関連付け)が初めて可能になります。

魅力 2: 複雑な「B2B企業リレーション」の完全自動構築

魅力1と関連しますが、BtoBビジネス、特にエンタープライズ領域では、「親会社・子会社」や「本社・支社」といった複雑な企業関係性の管理が必須です。

「子会社A」のレコードが作成された時、ワークフローが自動でその『親会社名』プロパティ(テキスト)の値をキーにして、データベース全体から「親会社B」の会社レコードを検索し、そのIDを自動で取得・関連付けできたらどうでしょうか。

営業担当者が、手動で親会社のIDを探してコピー&ペーストするといった煩雑な作業は一切不要になります。グループ企業全体の関係性が自動で構築され、アカウントベースドマーケティング(ABM)の精度が飛躍的に向上します。

魅力 3: インテリジェントな「データ転記・集約」

「特定の取引が作成された時、その会社に関連する『過去のサポートチケット数』を検索して、取引レコードに書き込みたい」

このような「オブジェクトをまたいだ高度なデータ連携」も、「検索」がなければ実現できません。「まず、条件に合う対象を検索し、見つかったら、そのレコードのプロパティを更新する」というインテリジェントな動きが可能になることで、必要な情報が適切なオブジェクトに自動で集約されます。

4. では、どうすればその「壁」を越えられるのか?

これら「検索」を軸とした魅力的な自動化は、HubSpotの標準機能だけを見ていると「仕様だから仕方ない」と諦めてしまいがちです。

もちろん、最高位のOperations Hub Enterpriseを契約し、専属のエンジニアがカスタムコードアクションを自社開発(custom code)すれば理論上は可能です。しかし、それはあまりにもコストと技術的ハードルが高い、非現実的な選択肢と言えるでしょう。

最も現実的で、迅速かつ強力な解決策。それが、サードパーティ製の「カスタムワークフローアクション」を導入することです。

これは、あなたのHubSpotのワークフローエディタ(「+」ボタン)に、標準機能にはない、自社に必要な「新しい機能(=“会社を検索”などの強力なアクション)」を選択肢として追加するようなものです。

カスタムワークフローの会社検索の詳細はこちら

5. あなたの「やりたかった」を実現します 〜開発リクエストという可能性

今回ご紹介した「Contact Search Action」は、HubSpotの可能性を広げる非常に強力なツールです。しかし、企業のビジネスプロセスは千差万別。このアクションだけでは、あなたの会社の固有のニーズを100%満たせないかもしれません。

「コンタクトではなく、カスタムオブジェクトを検索したい」「HubSpot内のデータではなく、外部の基幹システムと連携してデータを検索・照合したい」「検索するだけでなく、検索結果を特定のロジックで加工・集計して、別のオブジェクトに書き込みたい」

こうした「パッケージソリューションの限界」を感じることもあるでしょう。

「ないなら作る」という発想

もし、あなたのマーケティング施策や業務プロセスのボトルネックが、HubSpotの特定の「機能不足」にあるのなら、それをカスタム開発で補うという選択肢があります。HubSpotの強みは、まさにその高い拡張性と柔軟なAPIにあるのです。

日々の手作業、スプレッドシートへのエクスポートとインポート、目視でのデータ確認...。それらの非効率な業務は、もしかしたら「貴社専用のカスタムワークフローアクション」を一つ開発するだけで、すべて自動化できるかもしれません。

私たちにご相談ください

「こんなワークフローが作りたいが、標準機能ではできない」「あのデータさえワークフローで取れれば、この施策が自動化できるのに」「日々の手作業をワークフローで自動化したいが、機能が足りない」

もし、あなたがHubSpotの運用でこのような壁にぶつかっているなら、諦めるのはまだ早いです。Tech-Fatherは、まさにこうしたHubSpotの「かゆいところ」に手が届くカスタムワークフローアクションの開発を専門としています。「Contact Search Action」のような汎用的なものから、貴社の業務プロセスに最適化された完全専用のカスタムロジックまで、幅広く対応が可能です。

あなたの「やりたかったこと」を、まずは私たちに聞かせていただけませんか?標準機能での回避策、既存のアドオンの活用、あるいは完全なカスタム開発まで、貴社の課題を解決するための最適なソリューションをご提案します。

HubSpotの「できない」を「できる」に変える開発力

今回ご紹介した「マーケティングイベント 自動レコメンドアクション」は、HubSpotの可能性を広げる一例にすぎません。

重要なのは、「HubSpotの標準機能でできないから諦める」のではなく、「カスタム開発によって実現する」という選択肢があることです。

  • 「自社の基幹システムとHubSpotのデータを双方向で連携させたい」
  • 「ワークフロー内で独自の複雑な計算(例:カスタムリードスコア)を実行したい」
  • 「特定の業界向けSaaSとAPI連携し、情報をプロパティに書き込みたい」

HubSpotは、APIを公開しており、非常に柔軟なカスタマイズが可能です。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、HubSpotの仕様とAPIの両方を深く理解した専門的な開発力が必要となります。

もし、あなたがHubSpotを使っていて「この機能さえあれば、業務が劇的に改善するのに」「このシステムと連携できれば、データ活用が次のレベルに進むのに」と悩んでいるなら、その「あったらいいな」を諦める必要はありません。

その「できない」を「できる」に変える開発リクエストを、専門家に相談してみませんか?

今回ご紹介したアクションは、まさにそうしたHubSpotのカスタマイズを専門とする株式会社Tech-Fatherによって開発されたものです。

同社は、HubSpotのカスタムワークフローアクション開発や、外部システムとのAPI連携など、HubSpotの「かゆいところ」に手が届くソリューションを提供しています。

Mia Bytefield
November 12, 2025