
HubSpotのワークフローは、「Aというトリガーが発動したら、Bというアクションを実行する」というロジックにおいては非常に優秀です。例えば、以下の処理は標準機能で全く問題なく実行できます。
これらの共通点は、「過去に発生したイベント」や「現在設定されている静的なプロパティ」を起点にしていることです。
では、「セミナーやウェビナーの自動レコメンド」で難しいのはどの部分でしょうか。それは、「未来の動的なデータセット(=開催予定のイベントリスト)」を検索し、「複雑な条件で絞り込み」、「最適な1件を選ぶ」という処理です。
例えば、以下のようなBtoBマーケティングでよくある要件を考えてみましょう。
「コンタクトのプロパティ『興味・関心』が『人事評価システム』で、過去に『入門セミナー』に参加したことがある人」に対して、「『人事評価システム』カテゴリのウェビナーの中から」「開催日が1ヶ月以上先で」「まだ本人が申し込んでいない」「『中級編:活用事例セミナー』を1件だけ自動で選び出して」「そのイベント情報をメールで送りたい」
これをHubSpotの標準機能で実現しようとすると、以下のような問題に直面します。
この結果、多くのマーケターは、膨大な工数をかけて手動でリストをセグメントし、特定のセミナー専用の固定的な招待メールを作成・配信するという、属人的で非効率な作業を繰り返すことになってしまいます。
では、なぜマーケターはこれほどまでにセミナーやウェビナーの自動レコメンドにこだわるのでしょうか。それは、この機能が実現すると、ビジネスに計り知れないメリットをもたらすからです。
顧客は、自分に関係のない情報の洪水にうんざりしています。過去に「人事評価システム」のセミナーに参加した人に、突然「採用管理システム」のウェビナーを案内しても、それは「ノイズ」でしかありません。顧客の興味・関心、過去の参加履歴、検討フェーズに基づいた「あなたにこそ参加してほしい」という的確なレコメンドは、顧客に「自分のことを理解してくれている」という信頼感を与え、企業と顧客とのエンゲージメントを劇的に高めます。
無関係な100通のメールよりも、完璧にパーソナライズされた1通のメールの方が、セミナーの申し込み(コンバージョン)に至る可能性が遥かに高いのは自明です。自動レコメンドは、最も確度の高い見込み客に、最も響くタイミングで、最も適切なイベントを提示することで、マーケティングROIを最大化します。
前述の手動セグメンテーションとメール作成の作業から解放されます。一度「自動レコメンドワークフロー」を設定してしまえば、あとはシステムが24時間365日、最適なマッチングを自動で行い続けます。マーケターは、リスト作成のような単純作業ではなく、セミナー自体の企画やコンテンツの質を高めるといった、より創造的な業務に時間を使えるようになります。
顧客を一度獲得して終わりではなく、継続的に関連性の高いコンテンツ(セミナー、ウェビナー)を提供し続けることで、顧客を飽きさせません。入門、中級、上級へとステップアップしてもらうことで、アップセルやクロスセルの機会を創出し、顧客ロイヤルティを高め、LTVの向上に直結させることができます。
今回の動画で紹介されているカスタムアクションは、以下のような具体的なシナリオで真価を発揮します。
この「夢の自動化」を実現するのが、動画で紹介されているサードパーティ製の「カスタムワークフローアクション」です。
これは、HubSpotのワークフロービルダーに、標準機能にはない特殊な機能ブロック(アドオン)を追加することで、複雑な処理を可能にするものです。
動画で示されている流れは非常にシンプルです。
このように、標準機能では手作業で分岐設定を繰り返すしかなかった処理を、一つのアクションでスマートに解決できます。動画で紹介されているような詳細な設定方法については、このアクションの提供元ページでご確認いただけます。
カスタムワークフローのマーケティングイベントの詳細はこちら
今回ご紹介した「マーケティングイベント 自動レコメンドアクション」は、HubSpotの可能性を広げる一例にすぎません。
重要なのは、「HubSpotの標準機能でできないから諦める」のではなく、「カスタム開発によって実現する」という選択肢があることです。
HubSpotは、APIを公開しており、非常に柔軟なカスタマイズが可能です。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、HubSpotの仕様とAPIの両方を深く理解した専門的な開発力が必要となります。
もし、あなたがHubSpotを使っていて「この機能さえあれば、業務が劇的に改善するのに」「このシステムと連携できれば、データ活用が次のレベルに進むのに」と悩んでいるなら、その「あったらいいな」を諦める必要はありません。
その「できない」を「できる」に変える開発リクエストを、専門家に相談してみませんか?
今回ご紹介したアクションは、まさにそうしたHubSpotのカスタマイズを専門とする株式会社Tech-Fatherによって開発されたものです。
同社は、HubSpotのカスタムワークフローアクション開発や、外部システムとのAPI連携など、HubSpotの「かゆいところ」に手が届くソリューションを提供しています。
