
HubSpotの「マーケティングイベント」オブジェクトは、ウェビナーや展示会など、さまざまなマーケティングイベントの情報を一元的に管理できる強力な機能です。従来はウェビナー系の外部サービスと連携するための専用オブジェクトという位置づけでしたが、最近のアップデートにより、イベントの参加者情報を直接インポートできるようになりました。これにより、オンラインのウェビナーだけでなく、展示会やオフラインイベントの参加者情報もHubSpot上で一括管理できるようになっています。
イベント情報の作成や編集、アップデートも簡単に行えるため、マーケティング担当者は開催予定のイベントや過去のイベントの情報を効率的に整理できます。たとえば、展示会の参加者リストをインポートして、イベントごとの参加者情報をHubSpotで管理したり、イベント終了後に参加者情報をアップデートして、次回のマーケティング施策に活用することも可能です。HubSpotのマーケティングイベント機能を活用することで、イベント運営の効率化とデータの一元管理が実現します。
まず、HubSpotの標準ワークフローが抱える限界を明確にしましょう。
通常、HubSpotのワークフローは「コンタクト」や「会社」といった特定のレコードをトリガー(起点)として動きます。加えて、マーケティングイベントもHubSpotのcrm オブジェクトの一種として管理されており、イベントの日付や主催者、イベントタイプなどの情報をカスタムプロパティで詳細に管理できます。例えば、「フォームを送信したコンタクト」に対してメールを送ることは簡単です。
ただし、HubSpotでイベント管理や特定の操作を行うには、HubSpotアカウントや適切な権限が必要です。
しかし、「そのコンタクトが参加希望を出したウェビナーの情報を、データベースから探してくる(Lookup)」という動きは、標準機能では不可能です。具体的には以下のような操作ができません。
標準のワークフローには「関連するイベント情報を自動で取得して処理する」といったアクションが存在しません。イベントを作成し、主催者や日付、イベントタイプなどの情報を入力して管理する必要があります。
イベント情報の作成や編集、アップデートも簡単に行えるため、イベントを作成して主催者や開催日などの詳細情報を登録し、効率的にイベントを管理できるメリットがあります。
これでは、イベントが増えるたびにワークフローの改修が必要になり、運用負荷が高まります。イベントを効率的に管理するには、イベントを作成して各コンタクトや会社と関連付けることが必要です。
例えば、コンタクトがフォームで「10月開催のAIセミナー」を選択したとします。このとき、イベントを検索する際には、リストの情報やコンタクトのID、Eメールアドレスなどのコンタクト情報を活用して、該当するイベントを効率的に特定できます。
人間であれば「ああ、このイベントね」とわかりますが、標準のワークフローには「『10月開催のAIセミナー』という名前のマーケティングイベント・オブジェクトを探し出し、そのデータを取得する」というアクションが存在しません。イベントを特定する際には、のコンタクト情報や静的リストを利用することで、オフラインイベントの追跡やリストの関連付け管理が容易になり、より正確なイベント管理が可能となります。
標準機能で、申し込みがあったコンタクトを特定のマーケティングイベントに関連付けようとすると、事前に静的な分岐(If/Then分岐)を無数に作る必要があります。静的リストやリストの関連付けを活用することで、イベントを効率的に管理し、のコンタクトとリストの関連付けを柔軟に行うことが可能となります。
これでは、イベントが増えるたびにワークフローの改修が必要になり、運用コストは肥大化する一方です。つまり、HubSpotの中には「コンタクト」と「イベント情報」という2つのデータがあるのに、それらを自動的かつ動的に結びつける「検索(Search)」という橋渡し機能が欠けているのです。
なぜこの「検索」機能が、日々のウェビナーやセミナー運営においてこれほど重要なのでしょうか。マーケティングイベントの検索や作成は、オンライン・オフライン両方のイベント管理や、オフラインイベントの参加情報の一元管理にも役立ちます。その理由は、運用の「スケーラビリティ(拡張性)」と、Zoom連携における「Event ID」のジレンマにあります。
ここが最大のポイントです。HubSpotとZoomを標準連携している場合、ワークフローのアクションで「Zoomウェビナーにコンタクトを登録する」ことができます。
しかし、その設定画面では「どのウェビナーに登録するか」をプルダウンから手動で選択(固定)しなければなりません。
これでは、「申し込まれたイベントに合わせて、動的にZoomウェビナーへ登録する」というフローが組めません。裏側ではZoom Event ID(例: 999-888-777)が必要なのですが、標準機能ではこのIDを変数として扱うことができないのです。
「イベント検索」ができれば、検索結果として「Zoom Event ID」を取得し、それをAPIやカスタムコードに渡すことで、どのウェビナーへの申し込みであっても一つのワークフローで自動処理が可能になります。
毎月複数のウェビナーを開催している企業にとって、イベントごとのワークフロー作成は苦行です。
「イベント名」をキーにして自動検索ができれば、「汎用的なワークフロー」をたった一つ作るだけで済みます。新しいイベントが増えても、ワークフローを触る必要は一切ありません。
オフラインセミナーや他社共催イベントなどで、参加者リスト(CSV)をインポートするケースを考えてみましょう。
CSVには「イベント名」はあっても、HubSpot上のシステムIDは記載されていません。インポート時にシステムが「このイベント名なら、このマーケティングイベントオブジェクトのことですね」と検索・特定してくれれば、データの紐付けが完全に自動化されます。
動画で「Marketing Event Search Action」を紹介し、イベントを作成して参加情報を管理することで、以下のような高度な自動化が実現します。各ユースケースでは、担当者がイベントを作成して管理し、参加者情報の更新や配信設定などの操作を行います。
最も要望の多いユースケースです。
これにより、Zoom側のIDを人間が調べてコピペする必要がなくなります。
マーケティングイベントを活用することで、イベント参加者の行動や属性を多角的に分析できるのも大きなメリットです。たとえば、イベントごとに参加者の属性や、案内メールに対する参加率などのデータを集計することで、どのようなマーケティングイベントが効果的だったのかを振り返ることができます。これにより、今後のイベント企画やターゲット設定の精度を高めることが可能です。
また、カスタマージャーニー分析においても、マーケティングイベントは非常に有効です。イベント登録、参加、キャンセルといった各ステップをイベントとして記録し、参加者ごとの行動履歴を可視化できます。たとえば、登録日や参加日をインポートファイルで指定しておけば、イベント登録から参加までにかかった平均時間を自動で算出することもできます。これにより、参加者の行動傾向やイベントの成果をより深く理解し、次回のイベント運営に活かすことができます。
マーケティングイベントの効果を最大化するためには、イベント情報や参加者情報をもとにしたデータ分析が欠かせません。HubSpotのマーケティングイベント機能では、イベントごとの参加者情報をインポートし、参加者の行動や属性を一元的に管理できます。これにより、イベントの成果や参加者の傾向を簡単に把握できるようになります。
さらに、カスタマージャーニー分析やアトリビューション分析を活用することで、イベントがリード獲得や商談化にどの程度貢献したかを多角的に評価できます。コンタクトのアクティビティタイムライン上では、イベント参加日時が正確に表示されるため、参加者ごとの行動履歴が一目で分かり、マーケティング施策の効果測定や次回イベントの改善ポイントの発見に役立ちます。HubSpotのマーケティングイベント機能を活用し、データドリブンなイベント運営を実現しましょう。
HubSpotの標準機能では不可能なこの「検索」プロセスも、適切な拡張アプリを導入することで、驚くほど簡単に実装できます。
今回ご紹介する解決策は、Tech-Father社が提供する「Marketing Event Search Action」です。
動画のデモ画面にもある通り、このアプリを導入すると、ワークフローに「検索機能」という新たな武器が加わります。
使い方は非常にシンプルです。
ワークフロー内に「Marketing Event Search Action」を配置します。このアクションを使うことで、マーケティングイベントを作成して、リストの関連付けやイベントのコンタクト管理も可能になります。 2. 検索条件を設定:
何を手がかりに探すかを指定します。
ここが重要です。アクションが実行されると、合致するマーケティングイベントが見つけ出され、詳細なJSONデータが返されます。
動画内(00:58付近)の出力結果を見ると、以下のようなデータが取得できているのがわかります。
標準では「見えない」あるいは「利用できない」このID情報を、このアクションを通すことでワークフロー内のデータとして自由に扱えるようになります。
詳細はこちらで利用方法がわかります。
「こんなワークフローが作りたいが、標準機能ではできない」「あのデータさえワークフローで取れれば、この施策が自動化できるのに」「日々の手作業をワークフローで自動化したいが、機能が足りない」
もし、あなたがHubSpotの運用でこのような壁にぶつかっているなら、諦めるのはまだ早いです。Tech-Fatherは、まさにこうしたHubSpotの「かゆいところ」に手が届くカスタムワークフローアクションの開発を専門としています。「Contact Search Action」のような汎用的なものから、貴社の業務プロセスに最適化された完全専用のカスタムロジックまで、幅広く対応が可能です。
あなたの「やりたかったこと」を、まずは私たちに聞かせていただけませんか?標準機能での回避策、既存のアドオンの活用、あるいは完全なカスタム開発まで、貴社の課題を解決するための最適なソリューションをご提案します。
今回ご紹介した「マーケティングイベント 自動レコメンドアクション」は、HubSpotの可能性を広げる一例にすぎません。
重要なのは、「HubSpotの標準機能でできないから諦める」のではなく、「カスタム開発によって実現する」という選択肢があることです。
HubSpotは、APIを公開しており、非常に柔軟なカスタマイズが可能です。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、HubSpotの仕様とAPIの両方を深く理解した専門的な開発力が必要となります。
もし、あなたがHubSpotを使っていて「この機能さえあれば、業務が劇的に改善するのに」「このシステムと連携できれば、データ活用が次のレベルに進むのに」と悩んでいるなら、その「あったらいいな」を諦める必要はありません。
その「できない」を「できる」に変える開発リクエストを、専門家に相談してみませんか?
今回ご紹介したアクションは、まさにそうしたHubSpotのカスタマイズを専門とする株式会社Tech-Fatherによって開発されたものです。
同社は、HubSpotのカスタムワークフローアクション開発や、外部システムとのAPI連携など、HubSpotの「かゆいところ」に手が届くソリューションを提供しています。
