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HubSpotカスタムワークフロー活用:特定の条件で「取引」を検索し、コンタクトに自動関連付けする方法

HubSpotのコンタクトワークフローを運用していると、「このコンタクト(Aさん)がフォームで特定の取引名や案件IDを入力したら、既存の取引(案件X)に自動で紐付けたい」というニーズが発生します。

このような、ワークフロー実行中のコンタクトとは別のオブジェクト(この場合は「取引」)を動的に検索し、関連付ける処理は、サードパーティ製のカスタムワークフローアクションの得意分野です。

この記事では、動画で示されている「特定の条件で取引を検索するアクション」の目的、具体的なユースケース、そして動画に沿った設定ステップを解説します。

Demo Video

Detail

アクションの目的

このアクションの主な目的は、コンタクトワークフローの実行中に、特定の条件(例:取引名、カスタムID)に一致する「取引(Deal)」を検索し、その「Record ID(取引ID)」を取得することです。

そして、その取得した取引IDを利用して、最終的にワークフローを実行中のコンタクトを、その見つかった取引に自動で関連付けることを目的としています。

主なユースケース

このアクションは、コンタクトと進行中の案件やプロジェクトを自動で紐付けたい場合に活用できます。

  • 既存案件への問合せ紐付けコンタクト(Aさん)が「追加資料請求」フォームを送信する際、フォーム上で「案件名(例: test2)」を選択。ワークフローがその案件名をキーに「取引」を検索し、Aさんをその既存の取引「test2」に自動で関連付ける。
  • カスタムIDによる関連付けコンタクト(Aさん)が持つ「顧客管理コード」と、取引(案件X)が持つ「顧客管理コード」が一致する場合、ワークフローでそれをキーに検索し、双方を関連付ける。
  • 特定のオープン案件への自動集約「特定の製品A」に興味があるコンタクトがワークフローに入ってきたら、「製品A - 2025年Q4商談」という名前の特定のオープン案件を検索し、その案件に関連付ける(リードの集約)。

設定ステップ解説

ステップ1:アクションの追加 (0:04 - 0:09)ワークフローエディタの「+」アイコンをクリックします。左側のサイドバーが開き、インストールされているカスタムアクションの一覧が表示されます。動画では「Custom Workflow Business V2」が選択されています。

ステップ2:「Deal Search Action」の選択 (0:10 - 0:12)アプリが提供するアクションの中から、「Deal Search Action(取引検索アクション)」をクリックしてワークフローに追加します。

ステップ3:検索条件の設定 (0:13 - 0:39)アクションの設定パネル(左側)で、「どのような取引を探すか」を定義します。

  • 1つ目の条件:Condition - Property Name で、検索キーとなるプロパティ(動画では Deal Name)を選択します。Condition - Value に、検索したい値を入力します(動画では静的な値「test2」を入力)。Condition - Search Operator で、演算子(動画では Equal to)を選択します。(※実践では、Condition - Value には静的な値ではなく、ワークフロー実行中のコンタクトのプロパティトークンを設定することが多いです)
  • 2つ目の条件(オプション):このアクションでは、2つ目の検索条件(例: Amount)も追加でき、Operator between Conditions で「AND」または「OR」のロジックを設定できます。
  • 除外設定:Deal ID の欄に特定のIDを入力することで、検索結果から特定の取引を除外することも可能です。

ステップ4:設定の保存 (0:40 - 0:42)左上の「Save」ボタンをクリックし、アクションの設定を完了します。

ステップ5:ワークフローの実行と履歴の確認 (0:43 - 0:52)ワークフローをオンにして実行します。実行後、「履歴(History)」タブで実行ログを確認すると、「Deal Search Action」が成功(Action succeeded)しています。ログの詳細(右パネル)には、「OUTPUTS (出力)」として search_results に、見つかった取引のRecord ID(動画では「18091140711」)が正しく出力されています。

ステップ6:検索結果の確認 (0:53 - 0:56)(デモの補足として)実際にHubSpotの「取引」リストを見ると、ID「18091140711」が、まさしく「test2」という名前の取引であることが確認できます。

【重要】取得した取引IDでコンタクトを関連付ける方法

このアクションは「取引IDを見つける」までです。このIDを使ってコンタクトを取引に関連付けるには、このサードパーティアプリが提供する、別のアクションを組み合わせる必要があります。

  1. If/then分岐の追加「Deal Search Action」の直後に、標準の「If/then分岐」アクションを設置します。
  2. 分岐条件の設定分岐の条件として、「Deal Search Action」の出力(search_results)が「わかっている (is known)」を設定します。
  3. 「関連付け」アクションの追加「はい(見つかった場合)」のブランチに、このサードパーティアプリが提供する**「(IDを指定して)オブジェクトを関連付ける (Associate Object by ID)」**(または同様の名称の)アクションを追加します。
  4. 関連付けの実行そのアクション設定で、以下を指定します。
    • 元のID (From ID): ワークフロー実行中のコンタクトの [Contact Record ID] トークン
    • 先のID (To ID): ステップ5で取得した [search_results] のトークン(取引ID)

これにより、「コンタクト(Aさん)がワークフローに入る → 特定の条件で取引(案件X)を検索 → 取引IDが見つかる → Aさんを案件Xに自動で関連付ける」という一連の処理が完成します。

Source Code

HTML
CSS
Javascript

FAQ

この「Deal Search Action」は、HubSpotの標準機能ですか?

いいえ、標準機能ではありません。これは「Custom Workflow Business V2」というサードパーティ製(外部開発)アプリをインストールすることで利用可能になるカスタムアクションです。 標準のワークフロー分岐は、主にワークフローを実行中のコンタクト自身(Aさん)のプロパティ(例:「Aさんの業種は?」)を条件にします。対して、このアクションはデータベース内の別の取引(例:「Aさんがフォーム入力した案件名の取引」)を検索できる点が大きな違いです。

このアクションを実行するだけで、検索して見つかった取引(案件X)と、ワークフローを実行中のコンタクト(Aさん)を自動で関連付けることができますか?

いいえ、できません。この記事の「【重要】取得した取引IDでコンタクトを関連付ける方法」セクションで強調されている通り、このアクションの役割は、条件に合う取引の「Record ID」を検索して見つけることだけです。 見つけた取引とコンタクトを実際に関連付けるには、このアクションの後に、 取引が見つかったかを判定する「If/then分岐」 (同じアプリが提供するであろう)別の「関連付けアクション(Associate Object by ID)」 を別途追加し、そこでAさんのIDと、このアクションで取得した取引ID(search_results)を指定する必要があります。

動画では検索値に「test2」という固定のテキストが入力されていますが、「コンタクトがフォームで入力した案件名」をキーに検索するといった動的な検索はできますか?

はい、可能です。それが「主なユースケース」で説明されている、このアクションの最も一般的な使い方です。 ステップ3の検索条件(Condition - Value)に固定の値(test2)を入力する代わりに、**ワークフローを実行中のコンタクトのプロパティトークン(例:[フォームで送信された案件名])**を設定することで、「Aさんが指定した案件Xを探す」といった動的な検索が実現できます。