HubSpotのワークフローを高度に活用していくと、「このコンタクト(Aさん)と同じ会社名の人(Bさん)を自動で紐付けたい」といったニーズが出てきます。
標準機能では難しいこのような「動的な検索と関連付け」を可能にするのが、サードパーティ製のカスタムワークフローアクションです。
この記事では、動画で示されている「特定の条件でコンタクトを検索するアクション」の目的、具体的なユースケース、そして動画に沿った設定ステップを解説します。


このアクションの主な目的は、ワークフローを実行中のコンタクト(Aさん)の情報に基づき、HubSpotデータベース内に存在する条件に一致する別のコンタクト(Bさん)を検索し、その「Record ID(コンタクトID)」を取得することです。
そして、その取得したRecord IDを利用して、最終的にAさんとBさんを自動で「関連付け」することを目的としています。
このアクションは、コンタクト同士の関係性を自動で構築したい場合に非常に強力です。
ご提供いただいた動画(デモ)では、以下の流れでアクションの設定と実行が行われています。
ステップ1:アクションの追加 (0:04 - 0:09)ワークフローエディタの「+」アイコンをクリックします。左側のサイドバーが開き、インストールされているカスタムアクションの一覧が表示されます。動画では「Custom Workflow Business V2」というアプリが選択されています。
ステップ2:「Contact Search Action」の選択 (0:10 - 0:12)アプリが提供するアクションの中から、「Contact Search Action」をクリックしてワークフローに追加します。
ステップ3:検索条件の設定 (0:13 - 0:43)アクションの設定パネル(左側)で、「どのようなコンタクトを探すか」を定義します。
Condition - Property Name で、検索キーとなるプロパティを選択します(動画では First Name を選択)。Condition - Value に、検索したい値を入力します(動画では静的な値「Brian」を入力)。Condition - Search Operator で、演算子を選択します(動画では Equal to を選択)。Domain プロパティが設定可能であることが示されています)。Operator between Conditions で、2つの条件を「AND(両方が一致)」または「OR(どちらかが一致)」で組み合わせるかを選択できます。Contact ID の欄に特定のID(例えばワークフロー実行中のコンタクト自身のIDトークン)を入力することで、検索結果から特定コンタクトを除外することも可能です。ステップ4:設定の保存 (0:44 - 0:46)左上の「Save」ボタンをクリックし、アクションの設定を完了します。ワークフローのビジュアルエディタ上に、設定した検索条件(Search contacts where First Name Equal to Brian)が反映されます。
ステップ5:ワークフローの実行と履歴の確認 (0:47 - 0:56)ワークフローをオンにして実行します(動画では手動トリガー)。実行後、ワークフローの「履歴(History)」タブで実行ログを確認します。「Contact Search Action」が成功(Action succeeded)していることがわかります。ログの詳細(右パネル)を見ると、「OUTPUTS (出力)」として search_results という項目に、見つかったコンタクトのRecord ID(動画では「501」)が正しく出力されています。
ステップ6:検索結果の確認 (0:57 - 1:00)(デモの補足として)実際にHubSpotのコンタクトリストを見ると、ID「501」を持つコンタクト(Brian Halligan)が存在することが確認でき、検索が正しく機能したことがわかります。
このアクションは、あくまで「Record IDを検索して見つける」までです。このIDを使って関連付けを行うには、以下のステップが別途必要です。
search_results)が「わかっている (is known)」を設定します。これで、コンタクトが見つかった場合(はい)と、見つからなかった場合(いいえ)で処理を分けられます。[Contact Record ID] トークン[search_results] のトークンこれにより、「Aさん(トリガー)がワークフローに入る → Bさん(条件一致)を検索 → BさんのIDが見つかる → AさんとBさんを自動で関連付ける」という一連の処理が完成します。
いいえ、標準機能ではありません。これは「Custom Workflow Business V2」というサードパーティ製(外部開発)アプリをインストールすることで利用可能になるカスタムアクションです。 標準のワークフロー分岐は、主にワークフローを実行中のコンタクト自身(Aさん)のプロパティ(例:「Aさんの業種は?」)を条件にします。対して、このアクションはデータベース内の別のコンタクト(例:「Aさんと同じ会社名のBさん」)を検索できる点が大きな違いです。
いいえ、できません。この記事の「【重要】取得したRecord IDの活用方法」セクションで強調されている通り、このアクションの役割は、条件に合うBさんの「Record ID」を検索して見つけることだけです。 見つけたBさんとAさんを実際に関連付けるには、このアクションの後に、 コンタクトが見つかったかを判定する「If/then分岐」 (同じアプリが提供するであろう)別の「関連付けアクション」 を別途追加し、そこでAさんのIDと、このアクションで取得したBさんのID(search_results)を指定する必要があります。
はい、可能です。記事の「主なユースケース」(例:B2Bでの関連担当者の紐付け)で説明されている通り、それがこのアクションの主な利用目的です。 ステップ3の検索条件(Condition - Value)に「Brian」のような固定値を入力する代わりに、**ワークフローを実行中のコンタクト(Aさん)のプロパティトークン(例:[会社ドメイン])**を設定することで、「Aさんと同じドメインを持つBさんを探す」といった動的な検索が実現できます。