目的
このワークフローアクションの主な目的は、HubSpot内に存在する2つのレコード(例:重複した会社)を、ワークフローで自動的にマージ(統合)することです。
HubSpotの標準機能にも手動のマージ機能はありますが、このアクションを使うことで、特定のプロセスの一部としてレコードの統合を自動化できます。
このアクションの仕組み
このアクションは、以下の2つのレコードIDを個別に指定して実行されます。
- Record ID (ソース): マージ元となるレコード。このレコードのデータや関連オブジェクトはすべてプライマリーに移行され、このレコード自体は削除されます。
- Record ID (Primary): マージ先となるレコード。ソースレコードの情報を引き継ぎ、データベースに残り続けます。
利用用途
この機能は、データクレンジングや組織再編のプロセスを自動化する際に役立ちます。
- 重複データの自動クレンジング: API連携や手動入力などで発生した重複レコード(例:
test1 と test2)を、片方をプライマリーとして自動でマージする。 - 手動トリガーでのマージ: 事前に重複している2つのレコードIDを特定しておき、このワークフローを実行して任意のタイミングでマージを完了させる(動画で紹介されているケース)。
- 子会社の親会社への統合: 買収や組織変更プロセスが完了した子会社レコードを、親会社レコードに自動でマージ(統合)する。
動画で見る設定と実行ステップ
動画では、test2 という会社を test1 という会社にマージし、test2 を削除するまでの流れが紹介されています。
ステップ1: 実行前のデータ確認
- 会社の一覧画面に、マージ対象の2つの会社レコード
test1(プライマリー/残す側)と test2(ソース/削除する側)が存在することを確認します。
ステップ2: ワークフローとトリガーの設定
- 会社ベースのワークフロー編集画面を開きます。
- トリガー(登録条件)は「Manually triggered only」(手動のみ)に設定されています。これは、ユーザーが一覧画面からレコードを選択し、手動で登録したときにのみ実行される設定です。
ステップ3: カスタムアクションの追加
- ワークフローの「+」アイコンをクリックして、新しいアクションを追加します。
- アクション選択パネルの「Integrated apps」(連携済みアプリ)セクションから、「Custome Workflow Business v2」を選択します。
- 表示されるカスタムアクションのリストから、「Record Merge Action」(レコードマージアクション)を選びます。
ステップ4: マージするIDの指定
- 「Record Merge Action」の設定画面が開きます。
- Record ID(ソース): マージ元となり、削除されるレコードのID(この例では
test2 のレコードID)を入力します。 - Record ID (Primary)(プライマリー): マージ先となり、残るレコードのID(この例では
test1 のレコードID)を入力します。 - 設定後、「Save」(保存)をクリックします。(動画では、あらかじめIDが設定されたアクションが配置されています)
ステップ5: ワークフローの有効化と実行
- ワークフローを有効化(Workflow is On)します。
- 会社の一覧画面に戻り、
test1(プライマリー側の会社)にチェックを入れます。 - (動画外の操作ですが)「Enroll in workflow」(ワークフローに登録)ボタンから、この「test」ワークフローに手動で登録します。
ステップ6: 実行結果の確認
- ワークフローが実行されると、
test2(ソース)レコードは test1(プライマリー)レコードにマージされます。 - 会社一覧のリストが自動的に更新され、
test2 レコードが一覧から消え、test1 レコードのみが残っていることが確認できます。